たまにではありますが、わんちゃんに骨は与えた方が良いという話を聞きます。その根拠となるのが、野生の犬は骨を食べるからという事です。
ここで先ず一つ、正しく認識しなければいけない事として、野生の犬(またはオオカミなどイヌ科動物)と家庭犬は生態が異なるという点です。つまり、野生の犬や、その祖先が骨を食べていたからという理由だけで安易にそれが良いと判断するのは危険という訳です。
骨を食べた場合、次のような問題が発症する可能性があると言われています。
・ 割れた骨は尖っていたりするため、胃や腸内で臓器を傷つけてしまう可能性がある(医学的には食道穿孔 or 腸穿孔という)。穴が開いてしまった場合には臓器を通る食べ物がその穴から腸外へ漏れてしまい、他の臓器への感染症など、様々な問題を引き起こす可能性がある。
・ 胃壁を刺激し、激しい嘔吐を引き起こす可能性がある。
・ 便が固くなり、便秘になりやすい。腸内経路中、細い部位を通る事が複数回あり、その部位で便が詰まってしまい、浣腸または手術が要される場合もある。
煮込んでいない生の骨なら大丈夫という話もありますが、上記のような問題が発症する可能性は低くなるものの、完全に発症しないわけではありません。もう1点、歯にも悪影響を及ぼす可能性があり、やはり良くないと考えられています。
骨のような硬い物は歯石を除去してくれるので良いと思われ、硬い物を噛ませたり、硬いおやつを与えたりする方も多いようですが、特に生の骨のように硬い物は歯の表面にあるエナメル質に傷を付けてしまうため、より歯石ができやすくなります。ちなみに、アメリカのFDA(食品医薬品局)では上記のような理由により、犬に骨を食べさせる事を推奨していません。
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