ワクチンの話(いつ、何種?)

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今回は、わんちゃんへのワクチン接種について整理してみます。

日本では、子犬の場合は通常産まれてから5週~11週間に、成犬の場合は年1回接種が
ある意味慣習になっています。また、3種、5種、8種、11種などと色々あり、何が何だかよくわからず、迷われる方も多いと思います。

しかし、多くの獣医師からもこの慣習が指摘されているのも事実!

世界小動物獣医師会(WSAVA)によるワクチン接種ガイドライン(日本語版)ではこういう記載があります。<原文はこちらをクリック

“成犬における再接種  MLVコアワクチンの接種に反応した犬は、再接種を行わなくても強固な免疫を何年も維持する (免疫記憶)(Bohm et al. 2004, Mouzin et al. 2004, Schultz 2006, Mitchell et al. 2012) [EB1]。26または52週後にブースターを行った後は、3年
もしくはそれ以上の間隔をあけて再接種を行う。”

※ コアワクチンには全ての犬に接種すべきワクチンとして、犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス、犬パルボウイルスが規定されています。

上述の通り、3年以上の間隔を開けるようにとされており、抗体が最大7年間有効だったという報告もあるそうです。従ってどのワクチンを接種させるかは抗体検査を行ってから
判断されるのが理想と思われます。しかしながら、抗体検査にも費用は発生しますし、その負担は軽くないという事を考えると、3年毎に再接種というのが現実的判断なのではないでしょうか。

その反面、ノンコアワクチンは飼育環境次第で接種有無が判断されるわけですが、例えば、暖かい地域で飼育されている犬や、湖沼に入る猟犬などは犬レプトスピラ、多頭飼育などしている場合には犬パラインフルエンザウイルスなどがあります。これらのワクチンは毎年の接種が求められますが、すべての犬に必要というわけではないです。

日本ではなぜかコアワクチンも含めて、そしてワクチンの必要有無に関わらず、1年毎に再接種を行う事が当たり前のようになっており、ドッグランやペットホテルでも1年以内のワクチン接種がお預かりの条件とされていますが、そもそもワクチンの接種が誰のための事なのかを考えると、保守的対応に矛盾を感じる所です。

ちなみに、狂犬病ワクチンは日本動物法に則り、毎年の接種が義務化されていますし、他者への配慮でもありますので、必ず接種いただく事をいぬのともだちも願っています。