膝蓋骨脱臼の進行を抑えましょう

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こんにちは。いぬのともだち店長の寺田です。
今日は多くの小型犬で見られている膝蓋骨脱臼についてお話ししたいと思います。
 
膝蓋骨脱臼について話す前に、先ず膝蓋骨がなぜ重要なのかをご理解いただきたいと思います。人間の体はすべてテコの原理で動いています。腕を曲げるのも、ボールを蹴るのも、体を動かしやすい位置に筋肉が付着していて、テコの原理で小さな力が大きな運動力に変わるのです。
 
大腿骨と下腿の骨(脛骨と腓骨)は筋肉や靭帯によって頑丈に連結されていますが、テコの原理で動く体が安定的に大きな力を発揮するには、力が分散しないように支える物が必要で、大腿骨においては膝蓋骨がその役割を担っているのです。

図のように膝蓋骨脱臼は1期~4期まであり、2期からわんちゃんが痛みを感じるようになり、通常3期からは常に外れた状態でいるため手術を要されていると言われています。
 
膝蓋骨脱臼の症状はわんちゃんが年齢を重ねていく内に悪化していく可能性があるのですが、以下はその主な要因として考えられる環境起因のものです。
 
(1)階段の上り下り
(2)肥満(体重の増加)
(3)(滑りやすい)フローリング生活

 
上記はすべて膝部位への局所的な負荷によってより高く発生するため、(1)階段の上り下りをさせない、(2)体重管理を行う、(3)カーペットにするか足裏の毛のカットをこまめに行い、肉球に被らないようにする、といったケアで軽減できます。
 
しかし、もう1つの重要な要因があります。それは、(4)筋力の低下と筋肉のコリです。バランスの取れた筋肉の使用と筋力は膝への負荷を分散させるのに一助しますが、加齢に伴って使われない筋肉が出てくるため、バランスの取れた使用ができなくなります。また、通常の家庭環境で過ごすわんちゃんは体を大きく動かす事がほとんどないため、段々動いていない筋肉にコリが生じてしまいます。コリがある筋肉は動かしづらくなるため、膝蓋骨脱臼をより加速化させる可能性があるというわけです。
 
下記図は膝蓋骨脱臼が発生した時の筋肉の状態を表していますが、この場合は大腿四頭筋(前太ももの筋肉)のアンバランスが要因と考えられます。しかし、このアンバランスはそれほど単純ではなく、大腿四頭筋の他にも太ももや、反対側の後足等、体の使い方によって離れた場所のコリが影響している可能性もあります。

膝蓋骨脱臼は膝蓋骨が大腿骨の正しい位置から外れたために起こる症状で、これが長い間繰り返されることによって、膝蓋骨が付着されている周囲の骨が削られていき、最終的には外れたままの状態になってしまうのです。骨が削られるのは膝蓋骨が脱臼される時の摩擦によるもので、膝蓋骨が脱臼するのは、膝を曲げる・伸ばすの動作の時に膝蓋骨が外れる方向へ凝った筋肉によってより引っ張られるためと考えられます。
 
結論ですが、膝蓋骨脱臼を抱えているわんちゃんには日常的なケアを行い、体への負荷を減らすのと、ストレッチやマッサージで体の柔軟性を高める事で症状の進行をある程度は抑える事ができます。気軽にできる事もあるかと思いますので、今からでも実践してみてはいかがでしょうか。
 
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